プラチナ構想ハンドブックはプラチナ社会を創るという提言を広く理解してもらい、新しい日本を創成するという人々の輪を広げるという目的と、プラチナ構想に共鳴しプラチナ社会の実現に向けた行動を起こす人に対して具体的なプロジェクトの企画を支援するという目的がある。
プラチナ構想ハンドブックの冒頭の“提言”ではプラチナ社会の基本的な理念や構想を述べ、それを受けて第1部としてプラチナ構想の背景となった三つのパラダイムシフトについて解説した。さらに第2部ではいわばプラチナ構想の技術論を各分野の専門家から解説論文を投稿して頂き、プラチナ構想の理解を深める内容になっている。そして第3部ではすでに各地域で取り組まれているプラチナ構想と方向を同じくする事例の紹介をしている。
しかしこれだけでは実際に地域においてプラチナ社会構築の行動を起こす、すなわちプロジェクトを企画し実践するには情報量が極めて少なすぎて、参考となる事例の横展開をするにはあまりにも不十分である。
事例のプレゼンテーションを聞いて、その資料を読んだだけでは、感動しても横展開という行動には情報が少なすぎるので、企画書を作成して、組織内で提案するに至らない。説得力ある企画書を作成するに必要な情報を構造化という整理をし、提供する必要がある。
加えて企画書のテンプレートも行動への障害を下げることが出来る。
第3部で紹介したが、いくつかの地域では生活水準の向上と地域活性化の先進的な地域プロジェクトが推進されており、関係者の献身的で忍耐強い行動により素晴らしい成果を出している。このようなプロジェクトは他の地域にとっても極めて有効で、これを横展開する行動こそが冒頭のプラチナ社会の理念の実践、すなわち新しい日本の社会を創成する行動の輪を広げることに他ならない。
そこで第4部では各地域においてプラチナ社会構築のプロジェクトを企画しこれを推進する人にとって必要な情報を出来る限り収集し、この情報を構造化し、行動をスタートする試みを支援したい。
このため図に示すような横展開に必要な情報を構造化するモデルを考案し、それに基づいて横展開する価値があるプロジェクトの情報を整理すなわち構造化して、横展開の企画の支援となる「知の構造化」、すなわち「行動の構造化」を行った。
この構造化モデルはあくまで第一歩であって、具体的な横展開のプロジェクトを支援する中で改良と進化を行っていきたい。現在、入力されているデータも完全なものではなく、追加修正され進化するものとご理解いただきたい。