1. プロジェクト名
久山町コホートプロジェクト

2. 概要

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3. プロジェクトを企画した理由・課題(状況)

・久山町は今も昔も、住民の年齢構成や就労人口の割合等が日本の平均とほぼ同じ構成であることから、久山町のデータはそのまま日本のデータとみることができる。町の95%が市街化調整区域であり、宅地開発がされず人口の変動も少ないことから、コホート研究にとても適している。
・認知症、特にアルツハイマー型の患者が大幅に増えている。このままのペースで行くと2040年には人口の1/10が認知症になる可能性がある。認知症の予防には食事と運動が重要。

久山町研究について.pdf

4. プロジェクトの達成目標

認知症の疫学的解明

5. プロジェクト実行に関連した政策(有れば)

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6. プロジェクト実行に関連した規制(有れば)

この久山町ではあえて町全体を市街化調整区域に指定することによって無秩序が乱開発を防ぎ安定したコミュニティーを作ることができた。

7. 上記規制をどう解決、回避したか

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8. プロジェクトに対する国、県の補助金・支援政策(具体的な補助金事業名、年度、金額)

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9. 補助金に対する報告書のファイル

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10. プロジェクトに投入、活用した地域資源、地域人材

保健師と地域の開業医そして九州大学のシェアが研究室
久山町の健康センターには九州大学の医師が約10名常駐している。検診はするが治療は行わない、企業は開業医が行うことで医師会との調和を保っている。

11. プロジェクト推進の協力者、協力団体(商工会議所、NPOなど)

久山町長 保健師 開業医
九州大学久山研究室
http://www.med.kyushu-u.ac.jp/intmed2/naiyou/hisayama.htm

12. プロジェクト推進の産学連携や技術(有れば)

九州大学との連携 九州大学大学院医学研究院環境医学分野教授
清原 裕

13. プロジェクトを構成するプログラム(プロジェクトで実施した行動)

・大学・町・地元開業医の三者が連携し、住民を中心に大学が検診・学術研究を行い、町はその情報を元に健康行政に活用し、地元開業医(主治医)が実際の治療を行っている。
・コホート(追跡調査)は、毎年の検診、発症の診察、死亡時の剖検からなる病気と原因の因果関係を証明する研究。久山町では40歳以上の全町民を対象に受診率は80%、剖検率は75%、追跡率は99%以上であり、疫学調査としては世界一となっている。

http://www.med.kyushu-u.ac.jp/psychiatry/cn11/pg117.html
http://www.gaterunnerllp.com/%E8%B3%87%E6%96%99%E5%AE%A4/%E5%8C%BB%E7%99%82%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E6%9C%BA%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AE%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E5%AE%A4/%E7%AC%AC8%E5%9B%9E-%E4%B9%85%E5%B1%B1%E7%94%BA%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%81%AE40%E5%B9%B4%E3%81%A7%E4%BD%95%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8C/
http://www.epi-c.jp/entry/e001_0_interview_01.html
http://jals.gr.jp/cohort/c024.html

14. スケジュール(行程表)

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15. プロジェクト予算(年度ごとの金額、あれば予算書)

町の予算 約3000万円
九州大学の研究資金

16. プロジェクト遂行で調達した専門人材(エンジニア、デザイナー、知財関係など)

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17. プロジェクト推進・運用組織(あれば組織図)

・久山町研究は1961年から始まり、大学の研究者・町長・検診を担う保健師が代々受け継ぎながら50年以上続いている。

 久山町ヘルスC&Cセンター 副センター長 兼 統括保健師 角森 輝美氏
・町では健診事業だけではなく保健活動を進めるため、昭和47年に国保の保健師を1名採用し、その後増員。昭和52年には全国に先駆けて健康課を設置した。
・受診者全員に対し保健師が面接指導することで生活改善のきっかけを作り、住民との信頼関係の形成している。
・健診の受診率を上げるために個人個人へアプローチし、できる限り個別に対応している。
・健診のイメージを、病気の早期発見・早期治療ではなく、自分の身体・生活を知ること、自分の体の変化を知ることに重きを置いている。
・保健師は住民の生活を支える重要な役割を担っている。住民との信頼関係により家族の保健師となり、家庭に入り込んでいる。

18. プロジェクトの成功要件(要因できるだけ多く)

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19. プロジェクトの結果(出来れば数値)

久山町では40歳以上の全町民を対象に受診率は80%、剖検率は75%、追跡率は99%以上であり、疫学調査としては世界一となっている。このデータから下記の疫学的知見が得られた。

1. 脳卒中が血圧と関係していること、血圧を下げれば脳卒中を予防出来ることを世界で初めて発見
2.くも膜下出血はそれまで先天的な脳血管障害だと言われていたが、久山町のデータでその発症は加齢と共に増加するため後天的要因の積み重ねであり、環境等を変えれば治療可能であることが世界で初めて分かった。
3. 糖尿病と癌の関係を発見。
4. 血圧を下げると脳卒中は減るが、心疾患は思ったよりも減らないという発見。

http://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/051110906.pdf
http://www.doumyaku-c.jp/JAPF/reports/pdf/H24-25.pdf

久山研究の成果 プラチナ構想ネットワーク.docx

20. プロジェクトによる地域の変化

住民の健康意識の向上

21. プロジェクト遂行後も残る課題(未達成、見えてきた課題)

・多くの健診記録が紙ベースのため、大変貴重なデータが眠ったままとなっている点。

・今、認知症の対策をしなければならない。そのためにも久山町より大きい規模(1万人規模程度)で認知症コホート研究する必要がある。

22. 上記の課題を解決するさらなる展開(プロジェクト、フォローアップ)

・これまでの研究から認知症対策が急務であるという結論が導き出されているものの、調査集団が2,000~3,000人規模と小さく、更に大きな(1万人規模)コポート集団が必要である。

23. 横展開を考えている人への助言、特に苦労した事

・コホート研究では受診率が重要であり、受診率が低いとデータの信頼性が低くなる。受診率を上げるには地域の保健師の活躍が大きい。死亡原因を正確に判断するためには剖検をすることが重要。

24. その他関連情報、資料

・認知症、特にアルツハイマー型の患者が大幅に増えている。このままのペースで行くと2040年には人口の1/10が認知症になる可能性がある。認知症の予防には食事と運動が重要。