【背景・課題、目的・目標】
北杜市では、平成18年度に市営「北杜市村山六ヶ村堰水力発電所(320kW)」を建設し、再生可能エネルギーの活用・普及啓発に積極的に取り組んできた。その後、平成21年度に環境省の「小水力発電による市民共同発電実現可能性調査委託業務」を受託し、効果的かつ効率的な小水力発電の導入モデルについて調査、検討を行い、市と企業がパートナーシップにより取り組む社会システム型モデルを提案した。
平成22・23年度に一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の「新エネルギー等導入加速化支援対策事業(地域新エネルギー等導入促進事業)社会システム枠」に三峰川電力株式会社と共同申請、採用を受け、小水力発電では全国初の村山六ヶ村堰の未利用落差を活用した小水力発電所の建設に至った。
小水力発電は適地のみ取り組むことができるものであり、本プロジェクトは同一水系に複数の発電所を面的に整備することで「建設期間の短縮」「工事費の縮減」「メンテナンスの効率化によるコスト縮減」を実現することを目指したものである。
【取組の内容】
北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファームプロジェクトは、官民パートナーシップにより、同一水系で面的に短期間で開発した小水力発電の導入加速化モデルで、農林水産省の疎水百選にも選定されている村山六ヶ村堰(全長約16km、受益面積約480ha)上に4箇所の小水力発電所を整備するもの。
①平成18年度に市営「北杜市村山六ヶ村堰水力発電所(出力320kW)」(平成19年4月稼働)を整備し、平成21年度には環境省「小水力発電による市民共同発電実現可能性調査」を受託し、調査実施、小水力発電事業の可能性を検討
②「新エネルギー等導入加速化支援対策事業(社会システム枠)」に戦略的官民パートナーシップ事業として応募、採用を受け事業開始
③平成23年度には、市営発電所の上流に1箇所、下流に2箇所の小水力発電所を官民パートナーシップ事業により同時に整備を完了
【成功要因】
①小水力発電に適した地形的条件
本事業で対象とした地域は用水路が16kmの延長を持ち、発電に充分な高低差が取れ、地形的に恵まれた地域特性を持っていた。
②河川法の適応を受けない普通河川であること
農業用水路は地元の村山六ヶ村土地改良区が持っているが、その引き込みの源が幸いにも河川法の適用外である普通河川であり、河川法の適用を受けないものであった。
③土地改良区理事長、区長等地元の理解・協力
村山六ヶ村堰土地改良区の理事長や地元の区長等が率先して環境にやさしい小水力発電に協力を惜しまず、許認可取得にも尽力してくれるなど地元の協力が得られた。
④官民パートナーシップによる官民の役割分担
本事業は、小水力発電事業を展開している三峰川電力株式会社と戦略的パートナーシップにより、三峰川電力の持つ技術・経営能力により事業性、採算性を確保し、北杜市は環境施策に位置付け、地域理解の促進、許認可取得等を全面的にサポートすることで双方の課題克服を図った
⑤水路を管理する村山六ヶ村堰土地改良区、北杜市、三峰川電力の3者による連絡調整会議を重ねて信頼関係を構築
【成果】
①建設期間の短縮、運営コスト削減等を実現
本プロジェクトでは、同一水系に3か所(合計4か所)の発電所を整備することで「建設期間の短縮」「工事費の縮減」「メンテナンスの効率化によるコスト縮減」を実現した。
4つの発電所は、全て同じ水系(村山六ヶ村堰)に建設し、既存水路の落差を利用した水路式発電所である。導水管を整備せず水路上に取水設備、沈砂池、水槽を一体的に整備し、余水吐きについても既存水路を活用することによりコストダウンを図っている。さらには水圧管路を地中に埋設し、外観上も目立たず環境との調和を図ることができている。また、同一水系に複数の発電所を整備することにより、上流地点で排砂、除塵を行うことで下流地点での発電リスクを低減している。
②再生可能エネルギーによる市内世帯消費電力の1割を供給、CO2の排出量削減に寄与
年間発電計画量の合計は約7,000MWhで、一般家庭の約1,950軒分の年間使用電力量に相当し(世帯当たり年間電力使用量は電事連平成23年度資料による)、年間約2,940tのCO2削減に貢献する。
北杜市では、平成18年度に市営「北杜市村山六ヶ村堰水力発電所(320kW)」を建設(平成19年4月稼働)し、クリーンエネルギーの活用・普及啓発に積極的に取り組んできた。その後、市営の第2発電所の導入に向け調査・検討を進めていたが、地方公共団体での自家消費を基本とした小水力発電は、需要計画、費用対効果、管理運営面等の課題も多く慎重になっていた。
他方、民間事業者が地域への依存度合いの大きい小水力発電事業を単独で導入する場合には、地元との共生関係の構築が必要不可欠であり、導入地域にとって馴染みのない民間事業者が地域の合意形成を円滑に図ることは容易ではなく、大きな課題となっていた。
こうした中、平成21年度に環境省の「小水力発電による市民共同発電実現可能性調査委託業務」を受託し、問題解決に向け効果的かつ効率的な小水力発電の導入モデルについて調査、検討を行い、市と企業がパートナーシップにより取り組む社会システム型モデルを構築した。
平成22・23年度に一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の新エネルギー等導入加速化支援対策事業(地域新エネルギー等導入促進事業)社会システム枠に三峰川電力株式会社と共同申請し、小水力発電では全国で初めて採択され、村山六ヶ村堰の未利用落差を活用した小水力発電所の建設に至った。
北杜市では、「人と自然と文化が躍動する環境創造都市」を基本理念に掲げ、豊富な水資源を活用した小水力発電や日本一の日照時間を活かした太陽光発電をはじめとしたクリーンエネルギーの導入と普及啓発活動などに積極的に取り組んでいる。
地方公共団体のクリーンエネルギー導入施策は高い公共性と大きなデモンストレーション効果を持っている。低炭素社会の実現に資する社会資本として、クリーンエネルギー施設を形成することは温暖化対策やエネルギー安全保障に直結するものであることを踏まえ、地域においてもクリーンエネルギーの恩恵がもたらされる。
水力発電は発電過程において水自体を消費することはなく、またCO2も排出しない極めてクリーンな再生可能エネルギーである。他の再生可能エネルギーと比べて発電効率も高く、安定した発電が可能であり、特に小水力発電(最大出力:1000kW以下)は規模が小さいため、発電設備を設置する際の地形の改変が小さく、使用する水量も少ないことから、環境負荷も少ない優れた特徴を有している。
小水力発電は適地のみ取り組むことができるものであり、エネルギー自給・地球温暖化の観点からもその可能性がある地域にとって、積極的に取り組むことは必要なイニシアチブである。本プロジェクトは同一水系に複数の発電所を面的に整備することで「建設期間の短縮」「工事費の縮減」「メンテナンスの効率化によるコスト縮減」を実現することを目指し、実施した。
北杜市では、小水力発電の導入可能性のある地域にとって積極的に取り組むことが必要なイニシアティブであると考え、北杜市村山六ヶ村堰水力発電所(出力320kW)を市単独で導入し、平成19年4月から運営していた。また、平成23年には電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法が施行され、全量買い取りが義務化、事業リスクは低減した。
農業用水路は地元の村山六ヶ村土地改良区が持っているが、その引き込みの源が河川法の適用外である普通河川であり、河川法の適用を受けないため、規制は受けない(河川法が適用される一級河川、二級河川ではそれぞれ国土交通大臣や都道府県知事・政令市首長の許可が必要である)。
なお、この農業用水路は16kmの延長があり、高低差が取れ、地形的にも恵まれ、発電に適していた。またこの河川は疏水百選にも選ばれている。
管理道路等も河川法外の公共物という位置づけで国が所有していたが、地方分権一括法の制定に伴い平成13年~16年に水路・里道(公衆用道路)等とともに北杜市に無償譲渡され、市の管理となった。
平成21年度 環境省「小水力発電による市民共同発電実現可能性調査」により候補地選定調査を実施
(http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11442 )
平成22年度~23年度 経済産業省 「新エネルギー等導入加速化支援対策事業(社会システム枠※)」を活用
-22年度 基本設計 1億円、23年度 事業実施 7億円 計8億円
社会システム枠では事業費の1/2が国庫補助(通常事業費の1/3が国庫補助)
※地域新エネルギー等導入促進事業の補助対象枠の一つで、地方公共団体と民間事業者が連携し、地域一体となって取り組む新エネルギー等の設備導入事業
-
村山六ヶ村堰土地改良区(理事長ほか)・地元の区長等:許認可取得への尽力、地元住民の説得
(営利目的の民間企業が実施するため、この事業の実施による地元へのメリットが問われるが、行政も入り、環境にやさしい自然エネルギー活用の意義等について、地元の理解を得ることに協力頂いた)
三峰川電力株式会社
村山六ヶ村堰土地改良区
日本小水力発電(技術アドバイザー:北杜市村山六ヶ村堰水力発電所管理者)
官民パートナーシップによる共同導入・役割分担のもと実施している
北杜市:導入地域の気運醸成、合意形成、許認可取得等の全面的サポート
三峰川電力株式会社:小水力発電所の建設、運転
北杜市・三峰川電力株式会社(共同):小水力発電の普及啓発
官民パートナーシップ(社会システム型モデル)による事業推進のメリット
市 民間事業者
★市が直営で開発することが困難な水力発電適地での ★地域との円滑な意見交換を市がサポートすることで地元理解が促進され、
開発が可能(市域におけるクリーンエネルギーの導入拡大) ひいては事業の安定性に繋がる。
★民間事業者の高い技術力、資金力により、市のリスク負担が減少 ★協働事業により、地域新エネルギー等導入促進事業-社会システム枠を活用でき、
従来の民間事業者向けメニュー(補助率1/3)より、高率補助(補助率1/2)を受けることができる。
★水力発電所建設に伴う、固定資産税の税収が見込める ★市の財政負担を受けることができる。(社会システム枠適用要件)
★三峰川電力の親会社である大手総合商社(丸紅)の持つ情報発信 ★補助率が1/2に増加することにより、小規模な水力発電の事業化の枠が広がる。
力、ネットワークを活かして北杜市の地球環境への貢献を全国へ発信
することができる
北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファームプロジェクトは、官民パートナーシップにより、同一水系である村山六ヶ村堰(全長約16km、受益面積約480ha)上に4箇所の小水力発電所を整備するもの。
①平成18年度に市営「北杜市村山六ヶ村堰水力発電所(出力320kW)」(平成19年4月稼働)を整備。平成21年度環境省「小水力発電による市民共同発電実現可能性調査」を調査を実施
②平成22年度経済産業省「新エネルギー等導入加速化支援対策事業(社会システム枠)」に官民パートナーシップ事業として応募、採用を受け事業開始
③平成23年度には、市営発電所の上流に1箇所、下流に2箇所の小水力発電所を官民パートナーシップ事業により同時に整備を完了、運営開始
平成18年度 市営「北杜市村山六ヶ村堰水力発電所(出力320kW)」(平成19年4月稼働)を整備
平成21年度 環境省「小水力発電による市民共同発電実現可能性調査」を実施、市と企業がパートナーシップにより取り組む社会システム型モデルを提案
平成22年8月 (一社)新エネルギー導入促進協議会「地域新エネルギー等導入促進事業(社会システム枠)」に北杜市・三峰川電力で共同申請した3案件が採択、設計
平成22~23年度 北杜市村山六ヶ村堰水力発電所の上流に1箇所、下流に2箇所の小水力発電所を官民パートナーシップにより同時に整備(「新エネルギー等導入加速化支援対策事業」、22年度 基本設計、23年度 事業実施)
平成24年4月 3発電所 運転開始
平成21年度 環境省「小水力発電による市民共同発電実現可能性調査」 5,681千円
平成22年度 経済産業省「新エネルギー等導入加速化支援対策事業」 基本設計 約1億円
平成23年度 経済産業省「新エネルギー等導入加速化支援対策事業」 事業実施 約7億円
https://www.env.go.jp/guide/budget/h21/h21-hos/10-2.pdf
http://www.nepc.or.jp/topics/2010/0520_2.html
特になし
北杜市では、持続可能な推進体制を構築するため、民間事業者である三峰川電力株式会社と官民パートナーシップにより、本プロジェクトを進めてきた。
今回、協働実施した補助事業は、地方公共団体と民間事業者が連携し、地域一体となって取り組む新エネルギー等の設備導入事業であり、要件として地方公共団体と連携した普及啓発事業の実施や地方公共団体の財政支援等が必要とされる。
そこで、北杜市では、小水力発電建設に伴う導水管路敷設の占用料等の免除、地域理解の促進、許認可取得等の全面的サポート及び本事業を通じた小水力発電の普及啓発活動を実施している。
また、三峰川電力株式会社は、本計画3地点における小水力発電所の建設、運転及び維持管理を行い、市の普及啓発活動を支援している。
①小水力発電に適した地形的条件
本事業で対象とした地域は用水路が16kmの延長を持ち、発電に充分な高低差が取れ、地形的に恵まれた地域特性を持っていた。
②河川法の適応を受けない普通河川であること
農業用水路は地元の村山六ヶ村土地改良区が持っているが、その引き込みの源が普通河川であり、河川法の適用を受けないものであった。このため開発にあたっては許可手続きが不要であったことも幸いした。
③土地改良区理事長、区長等地元の理解・協力
また、村山六ヶ村堰土地改良区が理事長や地元の区長等が率先して環境にやさしい自然エネルギー活用の小水力発電に協力を惜しまず、許認可取得にも尽力してくれるなど地元の協力が得られた。
④戦略的パートナーシップによる官民の役割分担
本事業は、小水力発電事業を展開している三峰川電力株式会社と戦略的パートナーシップにより、三峰川電力の持つ技術・経営能力により事業性、採算性を確保し、北杜市は環境施策に位置付け、地域理解の促進、許認可取得等を全面的にサポートすることで双方の課題克服を図った。
⑤村山六ヶ村堰土地改良区、北杜市、三峰川電力の3者による連絡調整会議を重ねて信頼関係を構築
水路を管理する村山六ヶ村堰土地改良区との3者による連絡調整会議を重ね、地元理解を促進するとともに信頼関係を構築し、また、一般市民等に対しても小水力発電所の見学会等を開催し、理解促進を図った。これにより円滑な事業遂行が実現し、短期間での導入が実現した。
①建設期間の短縮、運営コスト削減等を実現
本プロジェクトでは、同一水系に3か所(合計4か所)の発電所を整備することで「建設期間の短縮」「工事費の縮減」「メンテナンスの効率化によるコスト縮減」を実現した。
4つの発電所は、全て同じ水系(村山六ヶ村堰)に建設し、既存水路の落差を利用した水路式発電所である。最大取水量0.50㎥/sにより最大200 kW~320kWを出力する。発生電力は、北杜市村山六ヶ村堰水力発電所では隣接する大門浄水場で使用しており、他の3地点では、特定規模電気事業者である丸紅株式会社に売電し、一般電気事業者の送電ネットワークを介して需要者に供給する。また、導水管を整備せず水路上に取水設備、沈砂池、水槽を一体的に整備し、余水吐きについても既存水路を活用することによりコストダウンを図っている。さらには水圧管路を地中に埋設し、外観上も目立たず環境との調和を図ることができている。
同一水系に複数の発電所を整備することにより、上流地点で排砂、除塵を行い下流地点での発電リスクを低減する、水を繰返し活用することで発電量を増大することで、CO2排出量の削減に、より貢献できるシステムとなっている。
②再生可能エネルギーによる市消費電力の1割を供給、CO2の排出量削減に寄与
北杜市では、小水力発電について北杜市村山六ヶ村堰水力発電所(出力320kW)を市単独で建設し、平成19年4月から運営している。その導入・運営の経験を基に、新たな地点開発では「導入加速化」をテーマに「民間活力を最大限活用した官民パートナーシップ+面的開発」の導入加速化パッケージにより、3箇所の小水力発電所(総出力650kW)の計画から完成までを2年間の短期間で実現することができた。
北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファームでは、同一水系に4箇所の小水力発電を面的に整備しており、その4箇所の発電所の発電量合計は、市世帯の約10%の年間使用量相当となっている。また、複数地点を同時に開発したことにより建設期間の短縮、工事費の縮減、メンテナンスの効率化によるコスト縮減を実現した。
これは、今後の新たな地点開発の先進事例となり、小河川の積極的な利用や小落差に対する小水力発電の活用にも繋がるものと考えられる。
施設名 出力 想定年間発電量 CO2削減効果
①北杜西沢発電所 220kW 1,600MWh 672t
②北杜市村山六ヶ村堰水力発電所 320kW 2,400MWh 1,008t
③北杜川子石発電所 230kW 1,600MWh 672t
④北杜蔵原発電所 200kW 1,400MWh 588t
①+③+④= 650kW 4,600MWh 1,932t
①+②+③+④= 970kW 7,000MWh 2,940t
①市民の間に水力発電に対する興味・関心が芽生え、他の地域でも水力発電を考えてみようとするなどの動きが見られるようになっている。
②プロジェクトの「先進性」「効果性」から、多くの行政、企業、市民等から当該プロジェクト・発電所の視察依頼があり、これらに対しても積極的に対応し、これまでに多くの視察者を受け入れてきた。今後も、積極的な普及啓発活動を展開し、小水力発電の導入加速化・拡大に貢献したいと考えている。
③完成後は発電所の見学受け入れだけに留まらず、水に関わる自然、歴史、文化等について学習、体験するなか、「水と人とのつながり」を再認識できるよう環境教育のフィールドとしても活用している。
北杜市は、最大の公共目的(公益)である“クリーンエネルギーの導入拡大”を効果的かつ効率的に実施するため民間事業者と戦略的パートナーシップを結び、双方の課題克服を図り、円滑かつ短期間での小水力発電施設の導入を実現した。
また、稼働後についても北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファーム連絡調整会議を定期的に開催し、北杜市、三峰川電力株式会社、村山六ヶ村堰土地改良区(堰管理者)、日本小水力発電株式会社(保守管理業者)、峡北地域広域水道事業団(北杜市村山六ヶ村堰水力発電所の電力供給先及び警報管理者)の5者が集まり、4箇所の小水力発電所の管理運営及び村山六ヶ村堰(全長16km)の管理運用について情報共有、業務改善を行っている。
取水口流入ゲート、取水口除塵鋼鉄格子、取水口調整ゲート、小水力発電所取水ゲート、小水力発電所、遠方監視装置、排水ゲートなどの管理区分及び除塵作業、土砂撤去作業、運転点検、視察点検などの作業内容を明確にするとともに、費用についても北杜市、三峰川電力株式会社、村山六ヶ村堰土地改良区の3者で協力して負担している。また、緊急時の対応についても、プロセスが確定しているので、安全・安心で、安定的な小水力発電所運営が可能である。
今後も”クリーンエネルギーの導入拡大”に向け、民間活力を活かした地球温暖化対策及びエネルギー対策についても推進し、新たなエネルギー産業の創出につなげていきたい。
また、今後は小水力発電適地調査を活用し、既に導入済みの小水力発電の検証も行いながら事業者、NPO、市民共同発電所等の可能性を積極的に検討するとともに、北杜市次世代エネルギーパークと連動した環境教育、環境観光を計画していくなど市内外にクリーンエネルギーと北杜市の取組みを広く発信していきたい。
規制緩和を進めることで、小水力発電への新たな取組みが出てくると思われるので、調査実績に基き、計画・実施が可能な地点があれば、市単独、官民共同での実施など、適切な方法を選定し、実現に向け推進していきたい。
わが国の農業用水の総延長は約40万kmといわれており、数多く張りめぐらされている。農村地域には農業用水等を利用した小水力発電が可能な地点が多数あり、積極的な取組が求められる。その際、山間地に単発的に建設するだけではなく、水系を面的に開発することが有効である。小規模であっても面的に複数地点開発することで、より大きな出力を得ることができ、一定の地域の電力を賄うことが可能となる。
(未入力)