1. プロジェクト名
「エネルギー自立からの持続可能な地域社会づくり」 (長野県飯田市)

2. 概要

(未入力)

3. プロジェクトを企画した理由・課題(状況)

1.背景
(1)太陽光市民共同発電
飯田市では平成16年におひさま進歩エネルギー株式会社(以下「おひさま進歩」)が、地域住民の手によって設立され、公共施設の屋根に初期投資0円で太陽光パネルを設置し、発電した電気を市が全量を買い取る「太陽光市民共同発電事業」を実施した。設置費用は環境省の補助金のほか、事業に賛同する全国からの「市民出資」で調達した。
この実績を踏まえ、平成21年11月に住宅用太陽光発電余剰電力買取制度により開始した、住宅の屋根に初期投資0円で設置する「おひさま0円システム」においては、同社が飯田信用金庫からの融資と市民出資を軸とする資金調達で太陽光パネルの設置費用をまかない、毎月定額料金で住宅所有者から太陽光発電に由来する電気の使用料の支払によって事業を成り立たせるモデルを構築した。いずれも市が環境モデル都市として低炭素社会を構築する上で、市民と連携して進める事業として政策的に関与したことが、こうした融資や投資を導き出したものと考えられる。現在、同社は再生可能エネルギー固定価格買取制度(以下「FIT」)が施行されたことに伴い、全量売電を軸とする「メガさんぽプロジェクト」を実施している。
こうした取り組みを経て、FITが施行されたことに伴い、再生可能エネルギー事業の事業性が高まる中、身近な地域資源としてのエネルギー資源を活用し、市民自らが再生可能エネルギー事業を行う取り組みに対して、市が政策的に関与することで、市場からの資金調達が円滑に機能するのではないかとの認識に至った。
(2)小水力市民共同発電
飯田市の竜丘地区では、大正初期に住民自らが出資をして「竜丘電気利用組合」を設立し、地区を流れる「新川」に30kW程度の小水力発電を設置して農村集落への電力供給を始めた。この組合はわが国初の電気利用組合であり、以来、小水力発電による農村集落における発電事業組合が行う農村集落発電の取り組みが全国に広がっていった。こうした史実を踏まえ、飯田市では現在、住民自治に根ざした小水力発電事業の構築を進めており、そのモデルとなるのが上村地区を流れる小沢川の水利を利用した小水力市民共同発電事業である。
河川やその水利は、農山村地域にとって欠くことのできない社会の重要な構成要素である。地域住民や集落組織との地縁性、属地性が強く、地域全体の資産という性格を持つ「水利」を利用した小水力発電によって、地域社会の活性化を目指していくためには、かつて全国で取り組まれていた農村集落発電にならって、地縁団体や財産区等、地域住民自らが連帯して事業主体を構築し、発電事業を行わなければならない。こうした仕組みによって固定価格買取制度に基づく、売電収益を地域が享受する財貨循環とエネルギーの地産地消によって、自立性の高い持続可能な地域社会の発展が実現していくものとの結論に至った。
【参考資料4 上村地区小沢川における小水力市民共同発電の概要】

(3)課題認識
こうした市民主体のエネルギー事業の取り組みや検討を踏まえて、自然エネルギーの利活用は地域主体の分権型でなければならないとの認識に至った。すなわち、地域が自然資源の利活用の優先権を持ち、市民・民間・行政が協働して利活用し、そこから得られる果実が地域内で生かされなければならないということである。
市民は、地域資源の管理と活用、経営に参加する。民間事業者は、地域内経済循環をもたらすプロジェクト・ファイナンスや事業運営に関与する。行政は、事業調整やリスクコントロールを行うなどの支援をする。これにより、地域社会の構成員による協働の仕組みづくりが、地域の自然資本、人的資本、社会関係資本を集め結ぶプラットフォーム、いわゆる「新しい公共」となる。地域の内発的発展につながっていくと考えられ、市民が参画する地域主体の分権型発電事業は、この新しい公共を作り上げていくモデルケースになりえるとの認識から、条例を基軸とする持続可能な地域づくりを着手するに至った。

4. プロジェクトの達成目標

市民が主体となるエネルギー事業を創出することが、持続可能な地域づくりに直結するとの認識から、市域に豊富に賦存する再生可能エネルギー資源(太陽、森、水等)と地域の「結い」の気風を活用して、「飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」により、エネルギー自立、エネルギー自治からの低炭素で活力あふれる地域社会を実現する取り組みに着手した。
この条例では、市民に対して「再生可能エネルギー資源から生まれるエネルギーを市民共有の財産」と捉え、市民はこれを優先的に活用して地域づくりを行なう権利を「地域環境権」と定義して、これを市民に付与。市は地域環境権の行使を行なう市民に対して、条例の附属機関として設置する「飯田市再生可能エネルギー導入支援審査会」の専門的知見からの指導、助言により、市民が構想する事業を「地域公共再生可能エネルギー活用事業」として事業化できる段階まで支援する。この支援によって事業化が確実になったものを、市長は「地域公共再生可能エネルギー活用事業」として公告することで、公共性と事業性の双方を兼ね備えた持続可能な地域づくり事業と認定し、事業に対する信用補完を行い、市場からの円滑な資金調達を当該事業に実行させると同時に、事業立ち上げ期の初期費用を条例に基づく基金によって支援していく仕組みを構築した。
今後、この条例を最大限活用して、成長分野である環境・エネルギー分野で市民が得た収益を、少子高齢化に直面する地域の課題に市民が自立的に再投資し、エネルギーと財貨の循環から、住民の自己決定に依拠する持続可能な地域を実現していく。

(1)市域の民生部門にかかるエネルギー消費の20%について、以下を柱とする再生可能エネルギーでまかなう。
 →2030年時の太陽光発電の普及率(世帯) 飯田市全世帯の40%の住宅に普及
 →20箇所程度の小水力発電所により、年間12万kWh程度の電力を小水力で発電
 →年間5,000t程度の木質バイオマスエネルギー利用
(2)市域の民生部門にかかるエネルギー消費の10%を省エネルギーでまかなう。
→国の「都市の低炭素化に関する法律」に基づき、中心市街地等、街区単位でエネルギーを最適利用する仕組みと、省エネによるエネルギー抑制からの低炭素街区を展開する。
  →長野県の環境エネルギー性能検討制度等を活用し、省エネ建築物の普及ガイドラインを民間活力主導で構築し、エネルギー抑制を図る。

5. プロジェクト実行に関連した政策(有れば)

「地域公共再生可能エネルギー活用事業」は、地域住民と飯田市が協働して市民に公共的なサービスを提供するものである。よって、「地域の自然資源を利用した発電事業と、当該発電事業により得られた収益の公共的事業への再投資」という組み合わせを想定し、事業全体を通じて公共性が判断される点に創造性、革新性がある。
事業全体の公共品質を担保していくために、条例により、事業に「公共サービス基本法」を適用している。ただ、同法第8条は、第三者に公共的なサービスを行わせる場合を「委託」契約に限定しているが、様々な主体が連携して公共の担い手となることを推進するこの条例の立場からは、必ずしも「委託」という文理表現に拘泥せず、委任契約や請負契約、さらには、当事者間の何らかの取り決めに基づいて第三者が事務を担う場合を広く対象とする。
これまで飯田市では、地域の「結い」に立脚するが故に、必ずしも事業協定書や契約書を締結しないまま、予定調和的に公共的な協働関係が成立してきた例がある。しかし、不特定多数の市民に対して公共的なサービスが供給されることや、いわゆる「業法」による厳格な規制がある事業者と同様の公共的事業を営む例もあることとの均衡を考慮して、「結い」を基礎としつつも、法第8条及びこれを受けた条例第10条第2項を適用して、飯田市と協働事業協定書の締結を求めることとし、事業を行う上での公共的な制約事項や、リスクの負担者等を明確にしておくこととした。

6. プロジェクト実行に関連した規制(有れば)

7. 上記規制をどう解決、回避したか

8. プロジェクトに対する国、県の補助金・支援政策(具体的な補助金事業名、年度、金額)

9. 補助金に対する報告書のファイル

10. プロジェクトに投入、活用した地域資源、地域人材

(未入力)

11. プロジェクト推進の協力者、協力団体(商工会議所、NPOなど)

(未入力)

12. プロジェクト推進の産学連携や技術(有れば)

(未入力)

13. プロジェクトを構成するプログラム(プロジェクトで実施した行動)

1.条例化する主な内容
(1)飯田市民に「地域環境権」を保障すること
東日本大震災以後、良好な住環境及び生活に不可欠なエネルギーの確保が、両立する必要があること、さらにそれが、地域住民のイニシアチブの下で、飯田にふさわしい形で、持続可能・環境調和的な方法により行われるべきことが認識された。飯田市は、そうした総体が憲法上の人権に由来する今日的な市民の権利であると受け止め、憲法・法律レベルで環境権の保障がなされていない現在、そうした権利を市条例で市民に保障することとした。

(2)飯田市民による「地域環境権」の行使を支援すること
   「結い」の伝統を活かして行われる次の事業を「地域環境権」の行使と位置付け、飯田市として政策支援
ⅰ 地域住民が構成する住民組織(認可地縁団体など)が、自ら行う再生可能エネルギー事業
ⅱ 上記の住民組織が、社会的企業(営利企業が公共的な事業を行う場合を含む。)と協力して行う再生可能エネルギー事業
     上記の事業の実施はFIT制度の活用が見込まれるが、「地域環境権」の公共的な性格に鑑みて、売電等の収益を公共的に再投資することも支援条件に加える。これにより、住民が自ら考え、地域づくりに主体的に取り組むことを後押しする。

2.条例の支援内容
(1)市は、上記の住民団体からの提案を受け、「地域環境権」の行使にふさわしい事業か否かを検討し、適切な案件を認定する。認定を受けた事業は、飯田市との公民協働事業である「地域公共再生可能エネルギー活用事業」に位置付けて、市が支援する。

(2)上記の認定等を行うに当たり、専門家が構成する「支援組織」を市の附属機関として設置。上記の認定の具体的内容として、次を担う。
ⅰ 事業の安定運営性を、専門的かつ第三者的立場から検討し、申請者に助言・提案。
ⅱ 「地域環境権」の行使にふさわしい事業の公益性・担い手の公共性も検討し、ふさわしいものとなるよう助言・提案。
   ⅲ 助言・提案に当たっては、申請者にとって双方向の意見交換となるようにし、画一的・一方的な審査過程にはしない。
(3)市は、「支援組織」の助言が反映された「地域公共再生可能エネルギー活用事業」に対して、事業費用の調達が円滑になされるよう、信用の補完をする。補完の方法は、市が「支援組織」からの答申を受けた内容を、原則、そのまま公表する。
  ※ これにより新たな与信が創出され、地元金融機関からのプロジェクト融資や、ファンド事業者が組成する匿名組合による市民ファンドの代行募集の資金が流れ込み易くする。特にファンド制度の安定運営性を高める狙いもある。
  ※ 従って、市による公表の内容は、投融資を勧誘する内容では全くなく、「地域公共再生可能エネルギー活用事業」がいかなる事実に立脚して行われるものかを公にし、投融資家が適切な判断をするために必要な資料を公共空間で共有化する。

(4)提案のあった事業が、飯田市の行政財産である土地・建物を使って「地域公共再生可能エネルギー活用事業」を行おうとする場合は、その事業内容は公共性を帯びることとなるので、行政財産の目的に沿った「目的内」の利用とし、公民協働事業として事業を進める。

(5)「地域公共再生可能エネルギー活用事業」として実施する際、協働する相手方と「協働事業協定書」を締結し、各自の役割を明文で取り決める。さらに、市民に公共的サービスが安定的に供給されるよう、市と支援機関の両方が、運用過程を監査する。

(6)市に基金を設置。事業者が最も困る「発注のための調査費用」について、基金から無利子貸付けを行う。
※ 事業の建設費用の償還には、FIT制度による売電収益を充てていくこととなるが、事前の調査費用は、現実には、当面のつなぎ資金が必要になる。これに対する手当てを行う。
※ 補助制度とはせず、無利子貸付制度とすることで、事業の実施に責任をもって当たってもらえるようにするとともに、そのことが与信のひとつにもなるようにする。

(7)専門家が組織する第三者機関である「飯田市再生可能エネルギー導入支援審査会」による事業支援
「地域公共再生可能エネルギー活用事業」を直接担う住民組織は、初期の事業資金や、借入金のための担保財産が充分でないことが多い。そこで、地域金融機関による直接金融である「プロジェクトファイナンス」の制度導入・普及を進める。
この仕組みを実効的に実現するために、飯田市に、各界の専門家が構成する市長の附属機関(飯田市再生可能エネルギー導入支援審査会)を設置する。提案のあった事案を広く専門的に審査・助言提案をした上で公民協働事業化し、市長がその審査・助言等の内容を公表する仕組みとすることで、客観的かつ公的な立場から新たな公共的与信を創出する(信用を補完)。これにより金融機関がプロジェクトファイナンスを行い易くし、さらに、市民ファンドへの出資者に対して投資に必要な情報を提供することとなり、市中資金の調達の総合的な円滑化に資する。
また、プロジェクトファイナンスの実行には、事業上のリスクの専門的第三者による評価書が必要となるなど、多額の事務経費が要され、大規模事業でなければ割に合わず、小規模事業の成立を阻んできた。これへの対策として、市が発電事業に関する基本情報を積極的に公表していくことで、後に続く発電事業が新たに第三者評価書を取得する経費を少しでも省き、新たに事業に着手しやすくする。
このようにして当初の資金を調達できても、開始以降の運営が適切に行われなければ、事業実施中に新たにリスクを抱えてしまう。そこで、市長・附属機関のいずれも、事業が実施されている期間中に必要な助言・監査が行えることとした。こうした事務を積み重ねることで、審査会に、飯田市における再生可能エネルギー事業の実施に関する知見の蓄積を進める。
また、市行政が関与して、地域住民による主体的な事業化と地域住民によるファンド投資の安定性を再構築することは公益的な取組みであり、審査会を通じて公的な信用補完をして固定価格買取制度と市民ファンドを活用した市民事業の後押しをし、地域住民による主体的地域づくりと、地域での財貨循環に貢献する。
(8)市の基金から調査費用の無利子貸付け
事業を行う住民組織がプロジェクトファイナンスにより借入れた資金の返済には、当該プロジェクトから得られた収益しか充てることができない。つまり、「地域公共再生可能エネルギー活用事業」の実施のための建設工事に要した費用の返済には、プロジェクトから得られた売電収益しか充てられない。
しかし、工事の発注をする前段階で必要となる様々な準備的調査の費用がプロジェクトファイナンスによる借入れの対象に含まれるか否かは、判断が不安定になる場合がある。
そこで、市に基金を設置し、事業の発注を条件として、当該前段階の調査費用に対し、無利子で貸し付けを行うこととした。

事業を行いたい住民組織から事業計画の概要を提案して頂き、市と話し合いをし、提案が市民益に合致する熟度に至った案件について、「地域公共再生可能エネルギー活用事業」に決定(公民協働事業化)し、支援の対象とする。このようにすることで、市民の主体的参画の下、様々なステークホルダーの協働化に至るプロセスを透明化することで彼らの協働関係の必然性を明らかにし、併せて、公共性を備えれば協働化されるというインセンティブを明示し、地域資源を使う活動を公共的な方向へと誘導を図り、域内の公共的活動の総量を増やしていく。

14. スケジュール(行程表)

(未入力)

15. プロジェクト予算(年度ごとの金額、あれば予算書)

(未入力)

16. プロジェクト遂行で調達した専門人材(エンジニア、デザイナー、知財関係など)

(未入力)

17. プロジェクト推進・運用組織(あれば組織図)

条例設置の附属機関である「飯田市再生可能エネルギー導入支援審査会」と、発電事業を行おうとする市民や企業が事業構想段階から協議、検討を行い、審査会による公共性、事業性判断を経て、市長が支援を公告することで、地域金融機関からの融資や、投資家からの出資を円滑に引き出すスキームで、地域エネルギービジネスの創出を図る。
【飯田市再生可能エネルギー導入支援審査会委員】
※条例を検討してきた下記の委員を予定し、このほか、事業案件によって臨時の委員を登用する。
諸富 徹    京都大学大学院経済学研究科 教授(審査会長)
竹ケ原 啓介 株式会社日本政策投資銀行 環境・CSR部長
中島 大   学識経験者
水上 貴央  特定非営利活動法人 再エネ事業を支援する法律実務の会代表理事・弁護士
長谷川 隆三 株式会社エックス都市研究所 サスティナビリティ・デザイン事業本部
          まちづくり・社会システムチームチームマネージャー
原 亮弘   おひさま進歩エネルギー株式会社 代表取締役
上沼 俊彦  飯田信用金庫 常勤理事・融資部長
太田 英行  八十二銀行飯田支店 執行役員支店長
大嶋 学   中部電力株式会社長野支店飯田営業所 配電建設課長

18. プロジェクトの成功要件(要因できるだけ多く)

飯田市では、地域住民主体の再生可能エネルギー事業によって市民に供給されるサービスが公共品質を備えつつ、安定的に成長でき、これにより市場も拡大し、新たなプレーヤーの参入も促進できるよう、「公民協働プラットフォーム」の暫定型を作った。特に太陽光発電普及事業では、市と協働するこの事業に参入しようとする事業者に公共品質を備えさせるための措置として、参入領域の基本属性が飯田市の事業であることを内外に確認する「事業者参入要綱」を制定した。この要綱は、事業者による提案を公募する内容とし、応募のあった提案のうち最も優れたものを、市との公民協働事業に位置付けて、市から補助金を交付して行ってもらう仕組みとした。これは、市が発注した事業を忠実に履行する単純な委託や請負事業ではない点が大きな特色である。
この要綱の役割は、太陽光発電の普及事業を市の事業と位置付けてその公共性を「見える化」し、公民協働領域を計画的に作り出すことである。市は、公益上の配慮から、最小限の注文を織り込んだこの要綱の条文と、この要綱に基づいて補助金を交付する際の交付条件に基づいて、事業者にガバナンスを行使できる。これにより、参入事業者の自由度をできるだけ確保しながら、公民協働性も確保し、民間事業の強みを生かした展開がされる。
そして、こうした飯田市による「公共性の裏打ち」があることで、事業者が市中から資金調達をする際の信用力や与信性に良い影響を与えている。
円滑な参入には、参入事業者がうまく事業資金を調達できるか否かが鍵である。「おひさま0円システム」では、事業費を飯田信用金庫からのデットファイナンスと市民出資により調達している。行政による事業の公共性の裏打ちに、優れた事業計画が加わり、プロジェクト自体が融資の際の有力な担保になった。
 こうした地域金融機関のファイナンスやおひさま進歩のファンドの組成のノウハウの年々の蓄積が当市の大きな財産であり、地域ブランドといえる。こうした試みを通じて、地元で立ち上がった環境ベンチャービジネスに対して地元を中心とした市場資金が投入され、地元で循環する仕組み、さらには、全国から集まった「意思あるお金」を環境資産に変え、飯田地域にストックしていく仕組みが確立し、現在、円滑に動いている。

19. プロジェクトの結果(出来れば数値)

(未入力)

20. プロジェクトによる地域の変化

(未入力)

21. プロジェクト遂行後も残る課題(未達成、見えてきた課題)

現在、電力自由化が議論される中、日本でも地域が自らの資源を生かした発電所を建設、運営し、電力を供給して、その財貨を地域に再投資できる可能性も出てきた。条例を施行するに当たり、エネルギー自立先進地域のドイツ(フライブルク市とその周辺・カッセル市とその周辺)での実地調査を、京都大学大学院経済研究科の諸富教授の研究と連携で行った。
 この調査を踏まえ、将来的には、電力自由化を踏まえた新しい地域エネルギーのネットワークを構築し、分権型のエネルギー需給システム社会の構築からの持続可能な地域の発展を実現する。

22. 上記の課題を解決するさらなる展開(プロジェクト、フォローアップ)

この取り組みは、長野県の自然エネルギー自給コミュニティ創出支援事業の支援を受けて、長野県内への展開モデルとして評価を得ている。現在、飯田市を中心とする南信州圏域で、他町村でも再生可能エネルギーを活用した地域づくりの取り組みが始まっている。こうした町村と連携をとり、この取り組みを周辺町村とも連携して取り組んでいくこととなっている。
また、国から認定を受けている環境モデル都市の責務として、国のエネルギー政策とも強固に連携して、全国の再生可能エネルギー資源に恵まれている中山間地域に対して、この取り組みを訴求する。今秋、環境未来都市構想推進協議会のワーキングを当市で開催し、ファイナンス、リスクヘッジ、事業性評価システム(事業の目利き機能)、将来の系統のあり方等、分散型エネルギーシステムを民間活力と都市、地域が協働して導入し、相互に環境価値を創造、共有していく上での共通課題を解決する手法について議論することとなっている。

23. 横展開を考えている人への助言、特に苦労した事

(未入力)

24. その他関連情報、資料

(未入力)