1. プロジェクト名
「コンパクトシティの形成」~健やかで幸せに暮らせるまちづくり~(新潟県見附市)

2. 概要

(未入力)

3. プロジェクトを企画した理由・課題(状況)

本市では、従来から市民の健康を施策の中心に捉えてまちづくりを進めてきたが、これまでの取り組みでは、望ましい運動習慣のある市民の数が伸び悩み、社会保障費の抑制効果は限定的であった。
平成22年度に筑波大学と共同で実施した「健康アルゴリズムに関する研究2011」では、運動習慣のある市民は全体の約35%にとどまり、運動習慣のない市民のうち約7割が運動を実施する意思もないことが判明した。
また、Smart Wellness City 首長研究会の活動を通じ、近年の研究から自家用車の利用と糖尿病の発症には一定の関連があることも明らかにされており、移動手段を車に依存せざるを得ない地方都市環境が生活習慣病の増加に一定の影響を与えていることがわかった。
こうしたことから、過度に自動車に依存せず公共交通や自転車、徒歩での移動を基本とした「歩いて暮らせるまちづくり」への転換が必要となってきた。
また、国立社会保障・人口問題研究所によると、本市の人口(2010年)4.2万人が将来人口(2040年)3.1万人に減少(約26%減少)することが予測されている。一方、1970年に41,057人であった人口が、2005年に42,668人と総人口は微増であるのに対し、人口集中地区面積は3倍に拡大しており、現状のまま推移すると現在の市街地密度が大きく低下することが予測される。
人口減少等により、現状の市民の生活サービス機能の継続が困難となる恐れがあるとともに、生活サービス施設への自動車利用の拡大、生活サービス機能の継続のためには過大な維持費が発生することとなる。
そこで、適切な居住密度を維持できる市街地ゾーン、将来市街地ゾーンに対応する公共交通のあり方及び将来市街地ゾーンに対応する拠点地区のあり方についての具体的な検討が必要となり、その解決のため、本市では「地方都市の過度の車依存から脱却して、歩いて暮らせる健幸コンパクトシティの形成」を目指し、都市部も周辺地域も持続可能なまちづくりを進めることとなった。

4. プロジェクトの達成目標

人々が健康で、かつ、生きがいを持ち安心安全で豊かな生活を送れる状態を「健幸=ウエルネス」と呼び、目指すべき将来都市像を「スマートウエルネスみつけ」と定め、この理念のもとに、「歩く」ことを基本とした「住んでいるだけで健やかに幸せに暮らせるまち」を実現すること

5. プロジェクト実行に関連した政策(有れば)

・人口減少時代の総合政策(シュリンキングポリシー)を基本とした「50年後のグランドデザイン」(平成17年度 見附市)
・第4次見附市総合計画(平成17年度)
・地域活性化総合特区に指定(平成23年度 内閣府)
・見附市健幸基本条例(平成23年度)
・見附市歩こう条例(平成23年度)
・見附市道の構造の技術的基準を定める条例(平成24年度)
・見附市健幸づくり推進計画(平成25年度)
・特定地域再生計画の策定(平成25年度)
・地域活性化モデルケースに選定(平成26年度 内閣府)
・第5次見附市総合計画(平成27年度)
・見附市立地適正化計画(平成28年度)

6. プロジェクト実行に関連した規制(有れば)

(未入力)

7. 上記規制をどう解決、回避したか

(未入力)

8. プロジェクトに対する国、県の補助金・支援政策(具体的な補助金事業名、年度、金額)

平成25年度 特定地域再生計画  (内閣府等)
平成26年度  地域再生戦略交付金 (内閣府)
平成29年5月 コンパクトプラスネットワークモデル都市に指定(国土交通省)

9. 補助金に対する報告書のファイル

(未入力)

10. プロジェクトに投入、活用した地域資源、地域人材

国、全国の自治体、大学、民間企業、市民団体、地域コミュニティ等

11. プロジェクト推進の協力者、協力団体(商工会議所、NPOなど)

国:内閣官房/内閣府、国土交通省、経済産業省、農林水産省、総務省、厚生労働省、文部科学省、財務省、金融庁、環境省、復興庁(以コンパクトシティ形成支援チーム)
自治体:Smart Wellness City首長研究会 参加自治体(35都道府県69自治体)
大学:東京大学、筑波大学、慶應義塾大学 他
民間企業:㈱つくばウエルネスリサーチ、日本IBM㈱ 他

12. プロジェクト推進の産学連携や技術(有れば)

①「Smart Wellness City首長研究会」の発足と連携
「健幸」をこれからのまちづくりの基本に据えた施策を実行する新しい都市モデル「スマートウエルネスシティ」を目指すため、平成21年に、志を同じくする全国の首長による「Smart Wellness City首長研究会」(会長:見附市長)を発足させた。同首長研究会では、筑波大学 久野譜也教授、慶應義塾大学 駒村康平教授が有識者として参画し、慶應義塾大学 金子郁容教授、東京大学 辻哲夫特任教授らがアドバイザーとして参画している。これらの大学と、筑波大学発のベンチャー企業である㈱つくばウエルネスリサーチの他、日本IBM㈱等の民間企業とも連携し、産・官・民・学からのステークホルダーが同首長研究会での議論と実践により、それぞれの強みを活かした取り組みが行われている。
②政府との連携
特定地域再生計画を策定するにあたっては、健幸都市実現を支える都市集約のあり方研究会を開催し、内閣官房、国交省、経産省及び農水省の課長、室長等及び、有識者により、超高齢化・人口減社会に対抗できる「歩いて楽しめる市街地」と「持続可能な周辺地域」を整備することを施策のポイントとし、まちをゾーニングしコンパクトシティの形成に繋がった。
③指定管理者制度の積極的導入
市民の交流を創出する拠点施設の運営は、指定管理者制度を積極的に導入し、優れた民間の知恵と運営ノウハウを取り入れることにより、新たな地域の産業や雇用の創出に繋がっている。

13. プロジェクトを構成するプログラム(プロジェクトで実施した行動)

①コンパクトシティの形成、誘導
都市全体の観点から居住機能や福祉・医療・商業等の都市機能の立地、公共交通の充実に関する包括的なマスタープランとなる立地適正化計画を平成28年度に策定し、都市機能誘導区域の設定により、拠点となる3つの市街地ゾーンに誘導施設を集約させた。
②持続可能な集落地域づくり
本市では、平成18年3月に第4次見附市総合計画を策定し、その中で、「住みたい 行きたい 帰りたい やさしい絆のまち」という基本理念を掲げ、さらに「市民と行政の協働の推進」を基本施策の1つとし、地域自治の運営の支援として、平成18年度から「地域コミュニティの構築」に向けた取り組みをスタートした。概ね小学校区単位で設立までに約1年以上の準備期間を設け、平成29年度までに10の地域コミュニティ組織が立ち上がっている。
地域コミュニティとは、町内会、青少年育成会など、地域のために活動している組織や個人の活動を結び付け、より大きな力として地域に役立てるもので、地域の人すべてが何らかの形でかかわることができるオープンな組織であり、本市では、地域コミュニティが実施するまちづくり事業の活動費や地域雇用職員の人件費を補助しており、将来的には、住民にとって身近な行政サービスについても地域で実施することができるように検討を進めている。
③地域公共交通の再生
市街地周辺地域においては、採算性の問題から路線バスの縮小が続くなか、市によるコミュニティバスの運行やデマンドタクシー等による公共交通の再構築を行い、自家用車を使わなくても市内のどのエリアからでも市街地に到達できる交通ネットワークを整備することで、自家用車と公共交通を無理なく使い分け、普段の生活の中で自然と必要運動量が満たされ、歩いて暮らせる交通基盤を確立している。
④中心市街地の活性化
見附市街地と今町市街地の2カ所を中心とする都市機能の集積、空き店舗の有効活用と賑わいイベントの定期開催により、まちなかの賑わいを回復している。
⑤地域包括ケアシステムの構築
自立生活の支援のもと、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができる体制の整備を進めている。
⑥総合的な住み替え施策の推進
世代間のライフスタイルに応じた住居の住み替え、転居を誘発する住宅施策を推進している。

14. スケジュール(行程表)

平成14年度~
・エビデンスが確認された中心的な健康施策となる「健康運動教室」を開始
平成15年度~
・食生活、生きがい、運動、健(検)診の4本柱からなる「いきいき健康づくり計画」を策定
平成17年度
・50年後のまちの将来像を定めた「見附市グランドデザイン」策定
平成18年度~
・住民が主体の地域づくりに向け、地域コミュニティ組織の再編開始
平成21年度~
・「SWC首長研究会」を設立し、歩いて暮らせるまちづくりへの転換
平成23年度
・地域活性化総合特区に指定(内閣府)
・健幸関連条例制定(見附市健幸基本条例、見附市歩こう条例、見附市道の構造の技術的基準を定める条例(H24))
平成25年度
・都市の集約化と地域の持続を目指した「特定地域再生計画」の策定
・健幸施策の総合的計画である「見附市健幸づくり推進計画」策定
平成26年度~
・少子・高齢社会に対応して都市が持続できるための政策パッケージモデルの実現を目指す「地域活性化モデルケース」に選定(内閣府)
・地域再生計画の認定を受け、地域再生戦略交付金を活用した事業の実施
・立地適正化計画策定に着手
平成27年度~
・第5次総合計画・総合戦略の策定
・優良住宅地「ウエルネスタウンみつけ」の造成開始
・「スマートウエルネスコミュニティ協議会」の設立(企業57,団体16,学術9,自治体19,有識者26ほか)
平成28年度
・「日本健幸都市連合」の発足
平成29年度
・コンパクトプラスネットワークモデル都市に指定(国土交通省)
・第1回コンパクトシティ大賞 最高賞 国土交通大臣表彰(主催:まちづくり月間全国的行事実行委員会、公益財団法人都市計画協会 )

15. プロジェクト予算(年度ごとの金額、あれば予算書)

(未入力)

16. プロジェクト遂行で調達した専門人材(エンジニア、デザイナー、知財関係など)

(未入力)

17. プロジェクト推進・運用組織(あれば組織図)
18. プロジェクトの成功要件(要因できるだけ多く)

①2年間の高齢者追跡調査結果に基づいた施策の検討・実施を都市政策へ発展
②「SWC首長研究会」等による産・官・学・民の協働の実現
③条例の制定と計画づくりによる推進体制の確立
④ICTによる「健康運動教室」の普及とエビデンスの活用
⑤コンパクトプラスネットワークのまちづくり推進
⑥市民交流施設の整備と民間資本による管理運営、市民との協働によるまちづくりの実行

19. プロジェクトの結果(出来れば数値)

①「191万人が賑わう市民のたまり場」と「14.8万人が回遊する公共交通網」の利用実績。
②介護認定率は全国平均・県平均より低く推移。平成22年から3年間は県内1位。
③後期高齢者医療費は、平成23年から横ばいもしくは減少傾向、平成25年からの2か年医療費の抑制傾向を確認。
④国の試算では、年間5.1億円の介護費用削減効果。(国土交通省)
⑤平成29年5月に、国の11省庁の支援チームにより全国10都市のモデル都市に選出。6月には第1回コンパクトシティ大賞の最高賞「国土交通大臣表彰」を受賞。

20. プロジェクトによる地域の変化

【交流拠点の創出・交通網の整備による効果】
①市民交流センター「ネーブルみつけ」
年間50万人が利用する市民交流、健康増進、子育て支援、地元物産・農産物等の展示販売等の複合交流施設であり、平成16年7月にオープンして以来、市民活動、交流、情報発信や平成14年から開始した健康運動教室の拠点として活用されるほか、ほぼ毎週末は様々なイベントの開催により多くの利用者で賑わっている。平成28年度利用者数49万人
②みつけ健幸の湯「ほっとぴあ」
コミュニティ銭湯として、「積極的に外出する高齢者」を増やす為の交流施設であり、商店街に程近い場所に3階建てで建設され、1階は誰でも入場できる無料の交流スペース、2~3階は有料の温浴施設、岩盤浴施設を備えている。商店街に近いことから、まちなか賑わいに繋がっている。平成28年度利用者数12万人(平成28年8月オープン)
③ギャラリーみつけ
芸術等を通じて人々の交流促進や情報発信等による賑わいの創出や創作活動が年間を通して楽しめる環境づくりのため、市役所、文化ホール、市民交流センター及び警察署などの行政施設が集積している地区にある旧法務局施設のリノベーションを行い、市民のギャラリーとして整備した。交流の場としてのカフェを併設。平成28年度利用者数5万人
④道の駅「パティオにいがた」
道の駅の機能としての休憩スペースやトイレ以外にも農家レストランや地元の野菜を販売する農産物直売所、さらにデイキャンプゾーンや芝生の広場も整備されており、多くの市民が繰り返し訪れ、何時間でも滞在できる癒しの空間として人気を集めている。隣接地に今町商店街や大凧伝承館があり、パティオにいがたへの来場者を今町商店街へ誘導する様々な仕掛けを展開しており、相乗効果としてまちなかの賑わいに貢献している。平成28年度利用数112万人
【交流拠点の創出・交通網の整備による効果】
①市民交流センター「ネーブルみつけ」
年間50万人が利用する市民交流、健康増進、子育て支援、地元物産・農産物等の展示販売等の複合交流施設であり、平成16年7月にオープンして以来、市民活動、交流、情報発信や平成14年から開始した健康運動教室の拠点として活用されるほか、ほぼ毎週末は様々なイベントの開催により多くの利用者で賑わっている。平成28年度利用者数49万人
②みつけ健幸の湯「ほっとぴあ」
コミュニティ銭湯として、「積極的に外出する高齢者」を増やす為の交流施設であり、商店街に程近い場所に3階建てで建設され、1階は誰でも入場できる無料の交流スペース、2~3階は有料の温浴施設、岩盤浴施設を備えている。商店街に近いことから、まちなか賑わいに繋がっている。平成28年度利用者数12万人(平成28年8月オープン)
③ギャラリーみつけ
芸術等を通じて人々の交流促進や情報発信等による賑わいの創出や創作活動が年間を通して楽しめる環境づくりのため、市役所、文化ホール、市民交流センター及び警察署などの行政施設が集積している地区にある旧法務局施設のリノベーションを行い、市民のギャラリーとして整備した。交流の場としてのカフェを併設。平成28年度利用者数5万人
④道の駅「パティオにいがた」
道の駅の機能としての休憩スペースやトイレ以外にも農家レストランや地元の野菜を販売する農産物直売所、さらにデイキャンプゾーンや芝生の広場も整備されており、多くの市民が繰り返し訪れ、何時間でも滞在できる癒しの空間として人気を集めている。隣接地に今町商店街や大凧伝承館があり、パティオにいがたへの来場者を今町商店街へ誘導する様々な仕掛けを展開しており、相乗効果としてまちなかの賑わいに貢献している。平成28年度利用数112万人
⑤みつけイングリッシュガーデン
市民交流、市民の管理、市内外に発信する個性と魅力をもった本格的英国式庭園(ケイ山田氏監修)であり、日常の植栽管理は市民ボランティア「ナチュラルガーデンクラブ」が行っている。有償ボランティアとして、会員約120名が植栽レイアウト、補植、整枝整形、年間6万ポットの花苗生産などを行い市民ぐるみで管理し、幅広い世代や分野の人々が集うことにより交流が生まれる公園である。平成28年度来園者数14万人
⑥コミュニティバス
市街地と交流施設等を連結して運行。朝・夕の通勤・通学、市内の買い物や通院、公共施設等への外出の足として利用されている。平成16年度から運行を開始し、平成22年度より専用のラッピングをしたノンステップバスを導入した。その後、新規バスを順次導入しつつ、運行ルートの見直し、運行便数の増加、運行時間の延長を行い、利便性の向上を進めている。一律100円で利用でき、利用者数は、運行開始当初の平成17年度は3.5万人であったが、平成28年度は14.8万人と年々利用者が増加している。将来的には、バスを10台(平成29年4月現在は6台)まで増台し、待ち時間の間隔を20分まで短縮する計画であり、更なる利便性の向上を図る。

21. プロジェクト遂行後も残る課題(未達成、見えてきた課題)

(未入力)

22. 上記の課題を解決するさらなる展開(プロジェクト、フォローアップ)

立地適正化計画において、平成30年度に居住誘導地域及び地域コミュニティゾーンを設定することとしており、「地域包括ケアシステムの構築」や「総合的な住み替え施策の推進」を図ることにより、都市部の集約と周辺地域の生活圏の持続を目指し、更なるコンパクトシティの形成を進めていく。

23. 横展開を考えている人への助言、特に苦労した事

(未入力)

24. その他関連情報、資料

(未入力)