1. プロジェクト名
「あわじ環境未来島構想」実現への挑戦 ~産官学金連携による地域貢献型ため池ソーラー発電事業~ (兵庫県洲本市、龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター、PS洲本株式会社)

2. 概要

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3. プロジェクトを企画した理由・課題(状況)

淡路島では、エネルギーの持続(再生可能エネルギー活用による電力自給率100%達成)、農と食の持続(農漁業振興による食料自給率100%以上維持)、暮らしの持続(観光客や移住者の増加による人口維持)の三本柱の目標を掲げる「あわじ環境未来島構想」を策定。大学が無く知の集積や若手人材に乏しい洲本市では、この構想の実現のため、複数の大学と連携し多様な取り組みを展開するなか、龍谷大学とは、売電利益を地域貢献に用いる再生可能エネルギー発電所の設置に向けて、教員、学生、金融機関等と検討を重ねた。

4. プロジェクトの達成目標

・「あわじ環境未来島構想」の実現

5. プロジェクト実行に関連した政策(有れば)

・地域活性化総合特区(内閣府)
・あわじ環境未来島構想(兵庫県、淡路市、南あわじ市、洲本市)
・あわじ環境未来島構想推進事業(兵庫県、淡路市、南あわじ市、洲本市)
・洲本市地域再生可能エネルギー活用推進条例(洲本市)

6. プロジェクト実行に関連した規制(有れば)

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7. 上記規制をどう解決、回避したか

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8. プロジェクトに対する国、県の補助金・支援政策(具体的な補助金事業名、年度、金額)

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9. 補助金に対する報告書のファイル

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10. プロジェクトに投入、活用した地域資源、地域人材

全国有数の日照条件や、約7千個におよぶ全国で2番目に多いため池数

11. プロジェクト推進の協力者、協力団体(商工会議所、NPOなど)

兵庫県、洲本市、淡路信用金庫、淡陽信用組合、PS洲本株式会社、龍谷大学、地域の町内会やため池水利組合 他

12. プロジェクト推進の産学連携や技術(有れば)

市内全域において、事業を推進する体制を構築するため、洲本市、淡路信用金庫、淡陽信用組合、PS洲本株式会社、龍谷大学の5者が、相互に協力・連携するための基本的事項を示した「地域貢献型再生可能エネルギー事業の推進に関する協定」を平成28年11月に締結した。

13. プロジェクトを構成するプログラム(プロジェクトで実施した行動)

龍谷大学の白石教授らが設立した非営利型の現地法人「PS洲本株式会社」が事業主体となり、事業地として市内の農業用ため池「塔下新池」「三木田大池」を市が貸し渡し、淡路信用金庫、淡陽信用組合等からの融資による事業資金で、ため池水面を活用するフロートソーラー発電所を2箇所(下記)設置した。
①塔下新池ため池ソーラー発電所:竣工 平成29年1月、出力72.8kW、事業費0.22億円、年間発電量8.6万kWh
②龍谷フロートソーラーパーク洲本:竣工 平成29年10月(予定)、出力1,706kW、事業費7億円、年間発電量207万kWh
施設の維持管理は、ため池水利組合や周辺住民組織等と連携しながら実施することとしている。売電利益は市と龍谷大学が協議のうえ、市の活性化に資する取組に活用することとなっている。

14. スケジュール(行程表)

平成22年 あわじ環境未来島構想 策定
平成25年 「「域学連携」地域活力創出モデル実証事業」(総務省)採択
平成26年 市と龍谷大学が連携協定締結
平成28年 PS洲本㈱設立
市、龍谷大学、PS洲本株式会社、淡路信用金庫、淡陽信用組合の5者で「地域貢献型再生可能エネルギー事業の推進に関する協定」締結
平成29年 「塔下新池ため池ソーラー発電所」及び「龍谷フロートソーラーパーク洲本」設置・稼動開始

15. プロジェクト予算(年度ごとの金額、あれば予算書)

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16. プロジェクト遂行で調達した専門人材(エンジニア、デザイナー、知財関係など)

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17. プロジェクト推進・運用組織(あれば組織図)
18. プロジェクトの成功要件(要因できるだけ多く)

①産官学金連携体制の構築
連携協定に基づき、PS洲本株式会社が事業主体となり、地元金融機関は事業性の審査や事業資金の融資を行い、市と龍谷大学によって売電利益の有効活用を進めるなど、産官学金連携体制が構築されている。
②「人・物・金」の活用と循環
本取り組みは、エコロジーでサステナブルであることはもちろん、地域にわずかな借地料や固定資産税等しか残らない従来型事業とは一線を画している。地域が主導し、地域の資源である「人・物・金」を活用・循環し、地域貢献に資することで、売電利益の域内循環による地域活性化に効果を発揮し、あわじ環境未来島構想の実現に寄与する。

19. プロジェクトの結果(出来れば数値)

平成24年度より固定価格買取制度がはじまって以降、全国各地でメガソーラーが建設されたが、そのほとんどは都市部の大手資本による事業であり、再生可能エネルギーの恩恵は地方から都市へ流れ、地方にはわずかな借地料や固定資産税等が残るだけであった。このような収奪型ではなく、地域が主導し、地域の資源(ヒト・モノ・カネ)を活用し、地域貢献に資することを目的とした再生可能エネルギー発電事業は、売電利益の域内循環と、それによる地域活性化に効果がある。

20. プロジェクトによる地域の変化

発電施設の設置にあたり、計画当初は住民の方からの不安の声が多くあったが、対話の中で事業内容や社会的意義を深くご理解いただき運転を開始することができた。発電所近隣の住民の方は、発電所に異常がないかを定期的に確認していただくなど、再生可能エネルギーに対して前向きな意識の変化があったのではないかと考えている。

21. プロジェクト遂行後も残る課題(未達成、見えてきた課題)

洲本市では、環境省の「風力・地熱発電に係る地域主導型の戦略的適地抽出手法の構築モデル事業」を活用し、平成28・29年度に洋上風力発電の事業化可能性について調査検討を進めており、この検討においても、地域貢献型再生エネルギー事業の考え方に基づくことで、地域活性化を目指すこととしている。

22. 上記の課題を解決するさらなる展開(プロジェクト、フォローアップ)

前述21項のとおり

23. 横展開を考えている人への助言、特に苦労した事

洲本市は、太陽光だけではなく風力やバイオマスなど、様々な再生可能エネルギーの利活用に取り組んでいることから、平成21年度に「次世代エネルギーパーク(資源エネルギー庁)」、平成26年度に「バイオマス産業都市(農林水産省)」の認定を受けている。先進自治体としての認知度は高く、また、ホームページでの情報発信も行っていることから、市民団体や議員団等の視察件数が非常に多く、地域貢献型再生可能エネルギー事業についても積極的にPRしている。さらに、市の施設を見た市内島内のため池管理者等から、事業を行いたいという声が数件寄せられており、今後の横展開が予想される。

24. その他関連情報、資料

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