1. プロジェクト名
瀬戸内国際芸術祭の開催による地域活性化

2. 概要

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3. プロジェクトを企画した理由・課題(状況)

瀬戸内国際芸術祭は、「海の復権」をテーマに掲げ、人口の減少や過疎高齢化、若年層の流出等が進み活力が失われつつある瀬戸内海の島々に、アートを通して元気を取り戻すことを目指し、2010年からスタートし、2013年、2016年と、これまで3回開催した。

4. プロジェクトの達成目標

・大勢の来場者が訪れることによる、各島のにぎわい創出と地域活性化
・各種メディアへの掲載を通じた本県及び各島の知名度やイメージアップ
・アーティストと島民の協働による運営をきっかけとした、地域活性化につながる機運の醸成

5. プロジェクト実行に関連した政策(有れば)

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6. プロジェクト実行に関連した規制(有れば)

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7. 上記規制をどう解決、回避したか

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8. プロジェクトに対する国、県の補助金・支援政策(具体的な補助金事業名、年度、金額)

・文化庁平成28年度文化芸術振興費補助金ほか

9. 補助金に対する報告書のファイル

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10. プロジェクトに投入、活用した地域資源、地域人材

香川県、開催エリアの市町、大学、経済団体、NPO、地域住民、全国のボランティア(サポーター)等

11. プロジェクト推進の協力者、協力団体(商工会議所、NPOなど)

香川県や開催エリアの市町、(公財)福武財団等により組織する瀬戸内国際芸術祭実行委員会が、本取り組みの中心である瀬戸内国際芸術祭の主催者である。

12. プロジェクト推進の産学連携や技術(有れば)

前述9項のとおり、本取り組みは、香川県、会場となる市町、(公財)福武財団、国の出先機関、県内大学、各種民間団体などで構成する瀬戸内国際芸術祭実行委員会が実施主体となっている。
また、作品制作や運営には、地元住民が関わるとともに、NPO法人瀬戸内こえびネットワークがボランティアサポーターを組織して参加しているほか、地元の企業サポーターも参加している。さらに、全国的な企業によるパートナーシップ事業の実施など、芸術祭を軸にして様々な協働の取組みが生まれている。

13. プロジェクトを構成するプログラム(プロジェクトで実施した行動)

瀬戸内国際芸術祭は、アーティストが島民と交流し、島の伝統・文化を感じ取り、その島でしか生み出すことのできない素晴らしいアート作品を創作し、それを大勢の来場者が島民やボランティアサポーターである「こえび隊」とふれあいながら巡り、島への理解を深め、島の素晴らしさや島での生活を寿いでいただくことにより、島民が誇りを持ち、元気になり、島に活力を取り戻していこうとする地域再生の取組みである。
2016年に開催した瀬戸内国際芸術祭では、これまでの芸術祭に引き続き、「海の復権」をテーマに、瀬戸内海の12 の島々(直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島、本島、高見島、粟島、伊吹島)と2 つの港(高松港、宇野港)周辺を舞台に、会期を春、夏、秋の3 つに分けて、2016 年3 月20 日から計108 日間開催した。
魅力ある作品・イベントの展開に加え、特に「海でつながるアジア・世界との交流」、「瀬戸内の「食」を味わう食プロジェクト」、獅子舞や盆栽など「地域文化の独自性発信」にも重点的に取り組んだ。
島民の方々には、アーティストとの協働による作品制作や受付、地域の特色を生かした食の提供やお接待のほか、港での温かい出迎え、見送りなどに積極的に関わっていただき、芸術祭を一緒になって作り上げ、盛り上げていただいた。このような地域活性化の芽を一過性のものとせず、いかに継続的な取組みとして伸ばしていくことが重要であると考えている。

14. スケジュール(行程表)

【開催スケジュール(2016)】
春:2016 年3 月20 日(春分の日)~4 月17 日(日) 29 日間
夏:2016 年7 月18 日(海の日)~9 月4 日(日) 49 日間
秋:2016 年10 月8 日(土)~11 月6 日(日) 30 日間

15. プロジェクト予算(年度ごとの金額、あれば予算書)

・瀬戸内国際芸術祭2016 1,231百万円
・瀬戸内国際芸術祭2013 996百万円
・瀬戸内国際芸術祭2010 757百万円

16. プロジェクト遂行で調達した専門人材(エンジニア、デザイナー、知財関係など)

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17. プロジェクト推進・運用組織(あれば組織図)

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18. プロジェクトの成功要件(要因できるだけ多く)

①ヴェネツィア・ビエンナーレをはじめとして世界中に芸術祭は存在するが、離島を舞台に広域で開催する瀬戸内国際芸術祭はこれまでにない唯一のものであること
②単に既存の芸術作品を持ってきて展示するのではなく、アーティストが、地域住民やサポーターと協働しながら、島固有の歴史や民俗を取り入れ、その場所でしか見ることができない作品を作り上げていること
③上記のプロセスを通じて、島々で営まれてきた生活、歴史に焦点を当て、日本全国・世界各地の人々が関わり、縁を結ぶことで、地域を再生しようとする取組みであること

19. プロジェクトの結果(出来れば数値)

①各島での地域活性化事例
男木島では、小中学校に続き保育所が再開しており、大島では、歴史の伝承や入所者と来島者との交流の拠点となる大島社会交流会館の建設が進められるなど、目に見える形で島々の活性化に向けた動きが現れてきている。
豊島では、島の原風景である棚田の景観維持の活動や、島のお母さんたちが地元で採れた魚や野菜をふんだんに使った料理を提供するレストラン「島キッチン」などのように、地域の人々が関わりながら、島の活力を取り戻す取組みが現れてきた。
②芸術祭開催による観光客数の増加と多様化
これまでの芸術祭では、数々のアート作品と瀬戸内海の島々の自然や文化を体感するという瀬戸内国際芸術祭の独特のスタイルが、国内外の多くの方々の共感を得て、大勢の来場者に来ていただいた。また、芸術祭開催年以外においても、芸術祭作品の公開やイベントの開催等を通じて、多くの方々が島を訪れている。さらに、芸術祭2016では、外国からの来場者の割合が2013開催時の2.6%から13.4%へと大きく伸びている。加えて、リピーター来場者が増加し、根強いファンが定着するとともに、来場者の平均滞在日数も延びてきているほか、芸術祭以外の観光地を訪問した来場者も増加している。
<芸術祭開催年の来場者数>
 芸術祭2010:93万人、2013:107万人、2016:104万人
<芸術祭開催年以外の来場者数>
 23年度:49万人、24年度:54万人、26年度:60万人、27年度:59万人
③地域への経済波及効果
芸術祭2010:111億円、2013:132億円、2016:139億円

20. プロジェクトによる地域の変化

①各島における地域活性化に資する取り組みの定着化
②島民の評価(島民アンケートから)
芸術祭開催による地域活性化については、72.1%の住民が役立ったと答えている。また、69.5%の住民が住んでいる地域に作品が設置されて良かったと答えている。

21. プロジェクト遂行後も残る課題(未達成、見えてきた課題)

来場者にアートの鑑賞だけではない感動を持ち帰っていただき、地域の活力も生まれる芸術祭とするとともに、各島において見られた地域活性化の取り組みの芽を一過性のものとせず、いかに継続的な取組みとして伸ばしていくかが重要である。

22. 上記の課題を解決するさらなる展開(プロジェクト、フォローアップ)

前述21項の課題や方向性を検討し、次回2019年の開催に活かす。

23. 横展開を考えている人への助言、特に苦労した事

瀬戸内国際芸術祭の開催効果を香川県内全域や他の瀬戸内地域に波及させるため、県内や瀬戸内値域で実施されるアートイベント等で、瀬戸内国際芸術祭と連携することにより相乗効果が期待できるものについて、「パートナーシップ事業」及び「広域連携事業」として選定し、相互連携を行った。
また、アートによる地域づくりとしての瀬戸内国際芸術祭の取組みが海外からも注目されてきている状況を踏まえ、2016年の芸術祭では、アジアを中心とする各国・地域でアートによる地域づくりに取り組む人々が共に集い、学び合い、語り合う「瀬戸内アジアフォーラム」を開催した。

24. その他関連情報、資料

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