・地域の宝である仏像等を盗難や災害の被害から守り、後世へと引き継いでいくため、3Dプリンター等の最新技術を活用し、仏像レプリカを作製。この仏像レプリカを「お身代わり仏像」として地域の寺社に奉納し、実物は県立博物館で保管することにより、文化財の保全と地域住民の信仰の場を守っている。
・和歌山県の各地域の寺社に奉納されている仏像や神像の中には、文化的価値のあるものが数多くあるものの、その管理状況については、集落の過疎化や管理者の高齢化等により、十分な状態ではあると言えない状況だった。
・指定文化財・未指定文化財を問わず仏像の盗難が続き、2008年県内では約280件が盗難被害にあっている。
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平成24年度~令和元年度で毎年文化庁からの補助金
(「美術館・歴史博物館活動基盤整備支援事業」(H21・22)、「地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業」H25・26)、「博物館を中核としたクラスター形成事業」(H30~R1)ほか)
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和歌山県立和歌山工業高等学校産業デザイン科
和歌山大学教育学部美術専攻
1.3Dプリンターを活用した造形
和歌山県立和歌山工業高等学校産業デザイン科の生徒が仏像の形状を3Dスキャナーで計測し、機械で計測しきれなかった細かな凹凸や傷などは目視で確認してデータを修正した後、3Dプリンターで仏像レプリカを造形。
2.美術専攻学生による着色
和歌山大学教育学部の美術専攻の学生が実物の色合いを基に仏像レプリカに着色し、忠実に再現。
3.仏像レプリカの奉納・実物の保管
・完成した仏像レプリカは「お身代わり仏像」として、地域の寺社に実物の仏像等に代わって奉納し、実物の仏像は県立博物館で保存。
・・和歌山県立博物館では、レプリカのほか、和歌山県立和歌山盲学校と連携し、特殊な透明盛り上げ印刷によって点字や触図を通常の印刷に重ねた「触れる図録」も作成するなど、視覚障害者をはじめ、誰もが触って楽しみながら展示を鑑賞できる環境を提供。
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・和歌山県立和歌山工業高等学校:三次元データを計測し、3Dプリンターにより造形。
・和歌山大学教育学部の美術専攻の学生が実物の仏像を基に着色。
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・2012年度からこれまでに15か所の寺社に計29体の「お身代わり仏像」を作製し、地域の寺社に奉納している。これにより、文化的価値のある仏像等の盗難や災害による遺失・損壊を防ぐとともに、地域の信仰の場を守っている。
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・2020年度からは、これまでの取り組みに加え、仏像等の管理者に対して、防犯装置の設置費用を支援する取り組みを新たに開始するとともに、万が一、盗難被害が発生した場合にも、すぐに警察に盗品情報を提供し、迅速な初動捜査が行えるよう、地域の仏像等の情報(形、大きさ、保存状況等)をデータベース化するなど、仏像等の盗難被害の発生を未然に防ぐ取り組みを行っている。
・日本の各地域の寺社に保管されている仏像等には文化的価値のあるものも多く、その維持・管理は全国的な課題であることから、日本各地において同様の取り組みが展開されることが期待される。
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