1. プロジェクト名
「埼玉県方式」による子供の居場所拡大 (埼玉県)

2. 概要

・埼玉県では、貧困の連鎖を断つため、子供の居場所づくりに取り組んでいる。子供たちが歩いて通えることをひとつの目安として、全県で800か所ある小学校区と同じく、子供の居場所が800か所となることを目標としている。これにより、全ての子供たちを誰ひとり取り残すことなく、安心して暮らせる社会の創出を目指すもの。
【ポイント1:こども応援ネットワーク埼玉の運営】
・子ども食堂や学習支援教室など、子供の居場所を拡大していくためには、子供の居場所を作りたい人と、これを支援したい企業などとを効果的にマッチングすることが重要。
・県では「こども応援ネットワーク埼玉」を立ち上げ、個人・企業の会員を募集し、ネットワーク化を進めている。これにより、食材の寄附など子供の居場所づくり活動を支援したい企業と団体のマッチングを行っているほか、Facebookでの情報発信を行っている。
・現在、こども応援ネットワーク埼玉の会員は408人・企業、Facebookのフォロワーは6,500人を超えるなど県内へ着実に浸透している。この結果、県内の子どもの居場所の総数は、平成29年8月は76か所から、令和元年8月には323か所、令和2年2月388か所と順調に増加している。
【ポイント2:こどもの居場所づくりアドバイザーの派遣】
・県では、子ども食堂などの子供の居場所づくりを行いたい個人・団体に対し、「こどもの居場所づくりアドバイザー」を派遣している。、
・アドバイザーは41の団体・個人で、子ども食堂の実践者、広報、衛生管理の専門家、税理士、弁護士など。
・アドバイスは、訪問支援、現場実習が標準的なモデル。令和元年度は、訪問支援を210回、現場実習を124回実施し、45件の子供の居場所の立ち上げにつながった。

「埼玉県方式」による子供の居場所拡大.pdf

3. プロジェクトを企画した理由・課題(状況)

・全国の子供の貧困率は、13.9%とされ、約7人に1人の子供が相対的貧困状態にある。貧困状態の子供たちは、食事が満足にとれないだけでなく、他の子供たちと同じように生活できないことから自己肯定感が低くなったり、十分な学習の機会が与えられないなど、様々な困難を抱えている。
・貧困の連鎖を断ち切るためには、生まれた環境に左右されず、全ての子供が等しく自己肯定感を養うことができる場所が必要である。埼玉県では、貧困の連鎖を断つため、子供の居場所づくりに取り組んでいる。

4. プロジェクトの達成目標

・子供たちが歩いて通えることをひとつの目安として、全県で800か所ある小学校区と同じく、子供の居場所が800か所とすること。

5. プロジェクト実行に関連した政策(有れば)

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6. プロジェクト実行に関連した規制(有れば)

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7. 上記規制をどう解決、回避したか

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8. プロジェクトに対する国、県の補助金・支援政策(具体的な補助金事業名、年度、金額)

特になし

9. 補助金に対する報告書のファイル

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10. プロジェクトに投入、活用した地域資源、地域人材

・アドバイザーは41の団体・個人で、子ども食堂の実践者、広報、衛生管理の専門家、税理士、弁護士など。

11. プロジェクト推進の協力者、協力団体(商工会議所、NPOなど)

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12. プロジェクト推進の産学連携や技術(有れば)

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13. プロジェクトを構成するプログラム(プロジェクトで実施した行動)

1 こども応援ネットワーク埼玉の運営
・子ども食堂や学習支援教室など、子供の居場所を拡大していくためには、子供の居場所を作りたい人と、これを支援したい企業などとを効果的にマッチングすることが重要。
・埼玉県では平成30年12月に「こども応援ネットワーク埼玉」を立ち上げ、個人・企業に対して会員を募集し、ネットワーク化を進めている。このネットワークでは、金銭の寄附、こども食堂等居場所づくり、体験活動の提供など、10種類のメニューの中から、実施可能なものを一つ選択し会員となることができる。会費負担はない。
・一方で、会員は、こども応援ネットワークのポータルサイトやSNSでの情報提供や活動内容の紹介、支援先のマッチング、フォーラムへの出席など、様々なメリットを受けることができる。
・公式Facebookは、基本的には毎日更新し、子供の居場所づくりに関する情報の発信や、県内の子ども食堂の活動状況の紹介を行うほか、寄附や食材の提供者と子ども食堂などとのマッチングなどの取組を行っている。
・子ども食堂などでは、食材の確保、輸送、保管場所が大きな課題となるため、これらを中心に、企業等とのマッチングを行っている。
・令和2年度の例として、学校給食や大型イベントの中止などにより余剰となった食材を、子ども食堂などにマッチングした。32の企業や団体から集まった食材は37トンにも上り、フードロス対策にもつながる取組となっている。
・現在、こども応援ネットワーク埼玉の会員は408人・企業、Facebookのフォロワーは6,500人を超えるなど県内へ着実に浸透している。
   
2 こどもの居場所づくりアドバイザーの派遣
・県では、「子供の居場所づくりに携わりたいけど一歩が踏み出せない」、「運営ノウハウがないので自分にできるか不安」と感じている人に対し、「こどもの居場所づくりアドバイザー」を派遣することで、立上げの支援を行っている。
・アドバイザーは、子ども食堂の実践者、広報、衛生管理の専門家、さらには栄養士など様々な分野の経験、知識、ノウハウを有する41の団体・個人の方を任命しており、様々な分野の相談に対応することができる。
・訪問支援によるアドバイスの実施のほか、現場実習を経て開設していただくのが標準的なモデルで、令和元年度は、訪問支援を210回、現場実習を124回実施し、45か所の子供の居場所の立ち上げにつながった。

3 子ども食堂応援基金の創設
・子ども食堂等の子供の居場所を新たに立ち上げようとする場合の費用等を助成するために、県と埼玉県社会福祉協議会が連携して、令和元年6月に「子ども食堂応援基金」を創設した。財源は全て企業や個人からの寄附となっており、メディアを使った発信やフェイスブック、県の広報誌等で募集し、1年間で700万円を超える寄附が集まった。 

14. スケジュール(行程表)

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15. プロジェクト予算(年度ごとの金額、あれば予算書)

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16. プロジェクト遂行で調達した専門人材(エンジニア、デザイナー、知財関係など)

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17. プロジェクト推進・運用組織(あれば組織図)

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18. プロジェクトの成功要件(要因できるだけ多く)

・埼玉県の子どもの居場所づくりでは、SNSを最大限に活用し、企業と子ども食堂等をマッチングすることで、ほぼ事業費を支出することなく取組を進めている。
・子ども食堂の立ち上げ支援として、メモリードグループの運営する葬祭ホールが、友引の前日は予約が入らないことに着目し、Facebookで運営者を公募してマッチングし、「つるせ音楽こども食堂」の開設につなげた。
・また、子ども食堂等の地域貢献活動に関心を持つアルファクラブ武蔵野にアドバイザーを派遣し、同社が運営する結婚式場で「ベルヴィ越谷子ども食堂」の開催につなげた。

19. プロジェクトの結果(出来れば数値)

・子供の居場所づくりについては、未だ歴史が浅いが、平成29年8月末時点で76か所だったものが、令和元年8月末時点で323か所、令和2年2月末時点で388か所と順調に増加している。県内全63市町村のうち、55市町に開設、残り8市町村にも展開できるよう、「空白地セミナー」の実施などにより機運醸成に努めている。
・平成30年12月に立ち上げた「こども応援ネットワーク埼玉」の会員もわずか1年半の間に408の個人・団体まで増加している。
・食材の提供企業等に対しては、CSR活動としての取組だけでなく、広報効果を図るため、県として積極的にプレスリリースを行い、各種マスコミに取り上げていただけるよう努めている。
・この結果、IKEA新三郷店が店内のレストランで余った食材を県内の子ども食堂に継続的に提供、また浦和レッドダイヤモンズが、コロナ禍によりJリーグが中断していた期間に発生した出店用の余剰食材を、子ども食堂に寄附などといった企業との連携事例が生まれている。
・子供たちだけでなく、提供する側の企業にとってもメリットのある取組とすることで、企業のCSRの推進のみならず、企業の広報効果の拡大も果たしている。

20. プロジェクトによる地域の変化

・埼玉県では、子供の居場所を拡大する取組を実施してきた。活動していく中で、子ども食堂は、単に食の充実を図るだけでなく、地域社会との繋がりや信頼できる大人との出会いなど「安心できる居場所」となり、自己肯定感を育む場であることが明らかとなった。

21. プロジェクト遂行後も残る課題(未達成、見えてきた課題)

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22. 上記の課題を解決するさらなる展開(プロジェクト、フォローアップ)

・今後はこれらをさらに進め、食事の提供だけでなく、学習支援機能や体験活動の場としての役割を加えることで、人生を切り拓く力を育む場として「バージョンアップ」を図る。

23. 横展開を考えている人への助言、特に苦労した事

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24. その他関連情報、資料

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